2016/06/16 第9回 山家正尚氏(スポーツメンタルコーチ)『キーワードは「ワクワク」』(後編)

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理事長の小村をホスト役とした企画「対談すごトーク」。第9回目となるゲストは、スポーツメンタルコーチの山家正尚さんです。
前編は⇒[こちら]から

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■自分の意志によってこの世の中に生まれてきたんだという概念

山家:これは私のクライアント全員に言っているのですが、自分の意志によってこの世の中に生まれてきたんだという概念が持てているかどうかです。
お父さんとお母さんから産まれてきたという感じではなくて、自分がこの父親と母親を選んで、肉体として生まれてくる子供に、魂として自分が入って行ったんだという概念が持てるかどうかです。詳しくは『かみさま との やくそく』(http://norio-ogikubo.info/)の映画を見てもらいたいんです。

小村:この『かみさま との やくそく』という映画は出生前の記憶を語る子供たちに注目した映画で、子供たちに「私たちはなんのために生まれるの?」と聞くと、「人の役に立つために生まれてきている」と全員解答するんですよね。私は生まれてだいぶたち出生前の記憶を忘れてしまっていますが(笑) もう少し詳しく教えてください。

山家:胎内記憶を研究している池上明先生も出てきます。ドキュメンタリー映画「かみさま との やくそく」の中では、子供が幾度も同じようなことを言うんだよね。神様(大仏)と約束をして、雲の上に赤ん坊がいっぱいいて、その中の一人が自分で、神様からあなたはどのお母さんがいい? とテレビのモニターみたいなところにお母さんの顔がいっぱい出てくる。「僕、このお母さんが良い」と選んで、このお母さんのところに行っていいよと滑り台に乗ってお母さんのお腹の中に入っていくということをほとんどの子供が言うんですよ。日本人はそういう言い方をしますが、ヨーロッパのキリスト教の人はキリストと約束をしたという子が多いです。どうやら産道を通って産まれた瞬間に過去の記憶は立ち消えてしまうんだけども、私達は自分の意志を持って、自分の意志で親を選んで産まれてきているという風に捉えるのね。自分の意志があるから、何か役割というか、世の中に生まれてきて何かやる必要がある。だけど忘れている。忘れているけどヒントがある。そのヒントとは何かというとワクワクすることなのです。

小村:なるほど。産まれてきて不幸だったとかそういう産まれてきた後のことではなく、産まれる前に意志を持って産まれてきているということが大切なんですね。

山家:もちろん、産まれた後に乗り越えなければならない出来事というのがあるんだけど、毎回毎回同じようなパターンで嫌な出来事が起こるということあるじゃない。でも、それをやり過ごしたりすると、人間が成長してくると解決していない問題との溝が深まります。それは更に大きな出来事として、その人に課題を解決させようとします。そういう捉え方ができるようになると、自分の意志で産まれてきているし、自分に必要なことが起こってくれているんだという風に捉えることができます。そうすると全部が自分を主体的に物事を変えていける、クリアできるというモードになれるのです。それができるようになってからが、本当の人生のスタートなんですよ。

小村:深いですね。捉え方ですね。

山家:それができるようになるとどうなるかと言うと、自分で人生を作り出していくんだというモードになれるのです。はっきり言って、これからの人生、今この瞬間からですが、自分の意識の向き先を変えた瞬間に人生変わるんです。この一秒間の間に私達は色々な思考が存在している。物ひとつとっても色々なものの見方がある。物事に対しては、色々な見方がある中でどれを選ぶかなんです。どのモードを選ぶか。ラジオのチューニングと一緒で、どの周波数を選ぶかによって、聞こえてくる音は変わってくる。同時に自分が発するのも変わる。100という周波数に合わせた瞬間に100というモノしか見えなくなるわけ。100というモノに対して強振し合うのです。

小村:共鳴音叉(きょうめいおんさ)ですね。

山家:音叉の実験では同じヘルツの音叉同士だと、片方だけ音を鳴らすと叩いていない方も強振し合って音が鳴るということです。逆に片方が違うヘルツの音叉であると、片方を鳴らしても片方が強振し合わないんです。人間の意識もエネルギーで全て周波数があります。自分が意識を向けると強振し合えるので見えるようになります。

<「YouTube」より>

 

小村:人間の意識にもエネルギーで周波数を発しているんですね。

山家:そして同時に量子論の話になってしまいますが「作られる」わけです。簡単に説明をすると、自分が意識を向けた瞬間に例えば「月」が現れるわけです。夜の空に見える「月」です。「月」は元々存在しているように思っているかもしれないけど、「月」自体は私たちが意識を向けることによって存在するということです。わかりやすく「月」を例にしましたが、量子論では私たちが意識をしたものだけしか見えないという考えです。すなわち私たちが意識をしたものが全てを作り出しているわけです。

小村:量子論の話しまで出てきてしまうと難しいと思われてしまいますが、今見えている全てが意識をしていることで見えているということですね。これは目に見えないメンタルも、自分の人生や未来に関しても、意識化することで見えてくるということにつながりますね。

山家:そうです。その概念が身に着けば、「そうか人生は自分が作っているんだ」というモードになるのです。そのモードになれたら、めちゃくちゃ人生が変わりますよ。

小村:概念を理解し、自分の人生を作る。しかし行動する際にどうしても「大丈夫だろうか」という疑念が生じてしまうのが人間であると思うのです。

山家:疑念は生じます。「でも・・・」という疑念は生じるのですが、それに惑わされず、考えず、一切「でも」がない状態で純粋に取り組んでいれば「そのこと」しか起こらないのです。これが原理原則なのです。そのモードになってくれれば人と関わっても人を成功させられるし、自分自身も成功していける。そういうモードになってもらいたいですね。

小村:ブレーキや壁や言い訳は自分が作り出してしまっているのですかね。山家さんとは長い付き合いで、毎年のようにセミナーをやってきていただいていますので、私も毎年山家さんの話を聞いてきていますが、常に進化されており、毎年内容がレベルアップしています。選手へのメンタルコーチ指導も、昔私と電話セッションをした内容とは異なり進化されていると思うのですが、現在はこのモードづくりからされていらっしゃるのでしょうか。

山家:スポーツ心理学とかは昔ベースとして勉強しましたが、全然違うのです。その世界ではなく、もっと簡単。ちゃんとワクワクしたことを純粋にやっているだけ。純粋かどうかに気付いていないだけ。私はメンタルのトレーニングで、純粋かどうかを対話をしながら、あそこにノイズがあるのであればここのところは手放した方がいいよとかアドバイスをして、純粋に行動をしていけるようにしていきます。単純に純粋に行動していける人が成功していけます。宇宙の原理原則がそうだからです。

小村:「ワクワク」はキーワードですね。山家さんの話を聞いて益々ワクワクしてきました。山家さんがクライアントへワクワクを作り出していくことを、もう少し詳しく教えてください。

山家:一言で言うと視点の提供です。私はあくまでも、きっかけであり刺激です。人から突っ込まれて痛いと思う時があります。特に受け身な性格の人からすると、考えたこともないし、わからないという突っ込みになります。でも、その苦しさの中で痛いと思えば思うほど自分にとって必要なことなのです。それをしっかりと言語化できるようになると整理ができてきます。自分でイメージして、自分で作っていくんだというモードに切り替えることができれば一気に上のステップへベクトルが上がっていくのです。

小村:自分で自分を突っ込んでいければいいのですが、なかなか自分こそが自分のことをわかっていないことが多いものです。だから突っ込んであげる。

山家:自分がワクワクすることを見つけられることが本当はベストです。こうなると良いよな。自分にこういうことが起こってくれると良いよなとワクワクしながら考えられるモノを作るといいですね。むしろワクワクをしないでやっているというのは人生におけるプロフェッショナルではないということです。自分の人生に責任を持っていないということですね。受け身では世界は何も変わりません。

小村:山家さんもそのワクワクを痛感したのがコーチングとの出会いだったわけですものね。

山家:私も35歳まではごく普通のサラリーマンをやってきて、そこそこ器用だから仕事ができていました。しかし本気で生きようとなったのはコーチングをやろうと思った時でした。最初の二年間は他の人からもすごい勉強しているねとよく言われていたんだけど、私の中ではプロだから当然じゃんと思っていました。大変だとも微塵も思いませんでした。当たり前じゃんという感じでした。そのくらい没頭が出来るものでした。

 

■208×同期=チームワーク

小村:メンタルやコーチングは対一人がやりやすいところもあると思いますが、日本代表女子アイスホッケーチームをソチオリンピック出場に導いています。チームではどのような指導をされていたのでしょうか。

山家:チームでも企業でも一人ひとりのプロフェッショナルをつくっていくことに変わりはありません。女子アイスホッケーチームでもやったことを紹介します。メトロノームを使います。208のゲージがメトロノームではベストなパフォーマンスです。例えば会社の中ではカーチカーチとのんびりしている人や、カチカチカチと振り切ってしまってバリバリやっている人がいます。カチカチカチだとやりすぎて病気になってしまうし、のんびりすぎてはパフォーマンスが悪いです。その人にとってもベストなパフォーマンスを引き出すこと、一人ずつプロフェッショナル化しています。そしてチームではチームワークが重要です。5台のメトロノームを用意して全部208に合わせてカチカチさせます。お互いがコミュニケーションを取っていないからバラバラで動いています。同じ208でも個体差があります。これをお互いに情報のやりとり、エネルギーが伝わるようにするために、そのメトロノーム5台を動く台の上に乗せます。この動く台がチーム内のコミュニケーションを取るための役割(台)です。そうすると、バラバラ動いていたのが同期してくるのです。お互いにプロだから同期(コミュニケーション)を取ることによってチームのパフォーマンスが発揮できるようになる。それをチーム内に浸透させました。

<「YouTube」より>

 

小村:コミュニケーションの浸透ですね。それを笑顔で行う。スマイルジャパンの原点はこのメトロノームの同期だったのですね。

山家:一人ひとりがプロフェッショナルになることと、横の連携。情報のやりとりをするとチームとして一体化する。自分がベストな208だと思っていても、それぞれが連携してお互いの208の情報を共有しないと、思い込んでいるだけで個体差が出てきてしまうのです。バラバラになってしまう。チーム内のコミュニケーションを取るための情報交換をさせる仕組みづくりをしていました。

小村:個々はベストな208を目指し、チームのメンバーたちと208の確認をし合うためのコミュニケーションですね。

山家:そうです。パーソナルのコーチングは208のところに本人にとってもっとも自分らしい生き方で、もっともパフォーマンスが発揮できる生き方をしてもらうための設計をしています。それをチームに入れると、自分のベストなパフォーマンス208というところに対話を通して一人ずつ引き出していき、同期を興します。だから組織としてもプロフェッショナル集団にさせることができるのです。

 

小村:最後にこれから目的をもって人生の方向性を見つけ歩む人たちにメッセージをいただいてもよろしいですか。

山家:皆さんに伝えたいメッセージは、自分の人生は自分で作り出すことが出来ます。今この瞬間から何に意識を向けるかによって全てが変わってきます。是非作りたい人生をおもいっきり作っていってもらいたいと思っています。そして選ばれるにふさわしい人間になってください。人生は全てそうなのですが、自分で作らねばなりません。自分で発信しなければなりません。自分が発信したものがもたらされます。それが原理原則だからです。自分が選んで生まれてきているというモードにならないといけません。受け身ではダメです。待っていても来ません。では勉強して知識をつけたら選ばれるのだろうか。私のコーチ仲間でも、どこどこで何時間勉強しました。クライアントの数もクリアしました。NLPも学びました、これこれも学びました。そういう人はたくさんいます。知識があれば何とかなると思ている人は多いですが、それであなたは選ばれるのかは別です。知識があっても選ばれなければどうしようもないです。選ばれる存在である必要があります。すなわち、『あなたの在り方』です。あなたはそれに選ばれるにふさわしい人かどうかと具体的に考えることが大事です。
<了>

◆プロフィール◆
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山家正尚(やまや・まさなお)
北海道出身。株式会社プロコーチジャパン代表・国際コーチ連盟プロフェッショナル認定コーチ (ICF-PCC)・国際コーチ連盟 (ICF) 正会員・NLPマスタープラクティショナー
対話によるコーチング技法をベースに、NLP、心理学、ヨーガ療法、気功等を使い、 古閑美保(元ツアープロゴルファー)、菊池雄星(埼玉西武ライオンズ)、廣瀬純(広島東洋カープ)、大山峻護(総合格闘家)など数多くのアスリートを指導。ソチ五輪アイスホッケー女子日本代表のメンタルコーチを務めた。著書に『オリンピック選手メンタルコーチの奥義 <ソウルリーディング>』 [Kindle版]。
※対談すごトークで登場する選手等の逸話はご本人に許可を得ています。

 

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