2016/06/08 第8回 無藤智恵美氏(ヨガインストラクター)『ヨガって何?瞑想ってなんですか?』(前編)

Share on FacebookTweet about this on Twitter

理事長の小村をホスト役とした企画「対談すごトーク」。第8回目となるゲストは、ヨガインストラクターの無藤智恵美さんです。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

■本当のヨガとの出会い

小村:本日はヨガワールド・トーキョー代表の無藤智恵美さんにお越しいただきました。ヨガに出会うまでの経緯、ヨガの奥深さのお話をいただきたいと思います。色々お聞きする前に無藤さんのお名前は珍しいですが本名ですか?

無藤:珍しいですよね。ヨガをやっていることもあり「無」になるからその名前なのかとよく聞かれますが、本名です。茨城県牛久出身です。

小村:本名なのですね。研ぎ澄まされた名前を授かっていらっしゃるという感じですね。改めまして、まずヨガをやられる前に栄養士の資格を取得されています。そこからヨガを始めた動機をお聞かせください。

無藤:進路を決める際に流行っていたということもあり、手に職をという単純な動機で栄養士の採れる学校に通いました。栄養士の資格取得後は、美容に興味を抱き、食事指導ができる美容家になろうとエステティシャンになりました。けれど徐々に、大金を工面し美しくなることに違和感を感じてきてしまいました。何となく心がヘルシーではない気がして。

小村:エステは高額ですからね。栄養指導と美容で幸せにしようと思って飛び込んだけれども、心がヘルシーではないと感じたのですね。

無藤:そうですね。それでエステティシャンを辞め、当時興味があったアパレルに転職しました。ところが、毎日洋服を売るだけ。自分の将来が見えなくなり、働きながら自分は何をしたいのだろうかと考えました。経験してみないとわからないという気持ちで、少しでも興味を抱いたものをやろうと行動をしていました。そんな中でヨガに出会ったのです。

小村:ここでヨガに出会ったのですね。

無藤:元々スポーツとは縁がなく、むしろ苦手だったのですが、ヨガは動きがゆっくりなので自分でもできるかなと思いました。本気でヨガに取り組もうとアパレルを辞めて、ホットヨガのインストラクターになりました。ホットヨガは会社の研修を受けて合格すればインストラクターになれますので、合格をしてヨガの世界に入ったというのが経緯です。

小村:思ったら即行動するアクティブですね。結果、色々経験しヨガと出会ったわけですね。本当に好きなことというのはやっているうちに気づいたら好きになっているというのが正しいと思うのです。だから経験をしないとわからない。無藤さんのヨガにたどり着くまで遠回りのように見えますが、実は本当にやりたいことを見つけ出せたわけですからむしろ近道だったのかもしれませんね。
ただホットヨガインストラクターでは留まっていませんね。その後、単身オーストラリアに行かれたのですか?

無藤:ヨガを深めていかねばならないと思ったので、世界的に有名な資格である「全米ヨガアライアンスRYT300」を取得しようと思い、仕事を休ませてもらい、一か月半くらいオーストラリアに行きました。

小村:この資格は日本では取得できないのですか?

無藤:日本でも取得できます。ただ金額も高く土日かけて一年間で取得していくという長期プランがほとんどであるため、一気に集中して取得したいと思い、短気プランがあるオーストラリアに行きました。朝4時半に起床しヨガをして、夕方5時頃までヨガの勉強をするという生活を一か月半やりました。専門的な用語や哲学的な言葉も入ってくるため、そこだけは通訳の方の力を借りながら取得しました。

小村:どっぷりヨガ生活だったのですね。これはそういう留学斡旋会社みたいなところを経由して行かれたのですか?

無藤:いや、自分で調べて行きました。人を介して行くと面白くないなと思ってですね。英語力は低かったのですが、自力で色々と調べて自らアクセスして行きました。

小村:色々な仕事を経てヨガの世界で生きたいというゴール設定ができ、もっと極めたいという思いから自力で調べオーストラリアに行ったという流れですね。

無藤:視野を広げたいという思いがあり、日本ではなく海外でという思いが強くありました。世界中のヨガを極められそうなところを探した結果、日本語の通訳も駐在しており、タイミング等々が合致したオーストラリアとなりました。

小村:資格を取得して帰国します。その後、ヨガの本場のインド政府公認のインストラクターになりますね。

無藤:これはですね、まずインドにヨガを医学的・科学的に研究している機関、スワミ・ヴィヴェーカナンダ・ヨーガ研究所・ヨーガ大学院大学があり、私の師匠である木村慧心(きむら・けいしん)先生がここのヨーガ研究財団と協力してヨーガ療法士養成講座を開催する日本ヨーガ・ニケタンを起ち上げました。木村先生は日本ヨーガ療法学会理事長でもあります。この木村先生が主催しているヨーガ療法士養成講座に参加しクリアすると日本にいながらインド政府公認のインストラクターを取得できるのです。

小村:師匠の木村先生とはどういう風に出会われたのですか?

無藤:木村先生との出会いは単純で、ヨガ仲間に「ここ良いよ」と言われ、行ったのがきっかけですね。実は、この講座は身体のことよりもメンタルに特化しているのです。

小村:木村先生の指導は他のヨガと異なる点はメンタルに特化しているところなのですね。

無藤:私は木村先生と出会うまでの間に様々な有名講師の講座に参加をし、ヨガのポーズの修得など、皆さんがイメージされるヨガというものに関しては十分学んできました。しかし、木村先生がヨガに取り入れているメンタル面へのアプローチは、もっとヨガを掘り下げたいという自分の欲求に合っており興味深かったんですね。インスピレーションで即入会をしたのを今でも覚えています。

小村:行動力がすごいですね。ヨガと出会って自分が劇的に変わったことはありましたか?

無藤:気持ちやメンタルな部分ですね。物事の捉え方を変えたことで心が変わりました。今までキツイなと思っていたことも楽しく取り組めるようになり、自然な笑顔で過ごせるようになって、幸福感や人生の充実感が増しました。例えば、普段からマイナスな言葉を言わなくなったりとか、何かあってもクヨクヨせずに前向きな行動ができるようになりました。

小村:ヨガはポーズを決めたり、瞑想したりというイメージが強いのですが、考え方や捉え方も連動しているのですか?

無藤:たぶん、皆さんがご存知であるヨガは、腰痛が治りますというポーズをとったりですよね。それはあくまでサブ的な効果で実はもっと良い効果があるのです。
ヨーガ哲学においては人間五蔵説という概念が存在します。人間は食物鞘(食物から形成される肉体の層)・生気鞘(呼吸によって取り組まれるエネルギーで形成される層)・意思鞘(知覚器官や運動器官からの情報入力と出力、伝達、低次の心理作用)・理智鞘(認知や知的判断を司る)・歓喜鞘(忘却の記憶の貯蔵庫で無意識層)という五つの鞘で構成されているというものです。英語で言えばコンセプトボディです。

小村:人間五臓説ですか。もう少し詳しく教えてください。

無藤:身体に腰痛やうつ病が出てくるというのは、物事の捉え方が原因で(果てには)病気になってしまうという考え方をします。これは東洋医学の考え方で、ヨガでは、ポーズ・呼吸法・瞑想法を使い、そしてカウンセリングを行いながらその方の問題にアプローチしていきます。“ポーズが腰痛を治す”のではなくて、物事の捉え方を変えたから腰痛が改善するという考え方です。

小村:物事の捉え方が重要と・・・。

無藤:例えば雨の日を「やだな」と捉えて1日憂鬱に過ごすのか、「雨音が癒される」、「雨だからこそ1日がんばるぞ」と捉えてその日を過ごすのか。前者と後者では格段に違いますよね。さらに心と体は繋がっていますから、前者の考え方でいくと体調もどんどん悪くなるみたいな(笑) でも、そうですよね、自分の心が自分の体調悪くしていますよね。ヨガをしていくと自然と後者の考え方が出来るようになりますよ。

小村:私もメンタルトレーナーをしていた者ですので、非常にわかります。心技体のバランスが大事ですから、全て考え方が身体に出るんですよね。

無藤:ずっと座っていたから腰が痛くなるという物理的なものではなくて、行きたくないなと思った時にお腹が痛くなるということも、自分の心が引き起こしていることです。ただ心と身体はつながっているというモヤっとしたものではなくて、先ほども言いましたが例えば結婚して引っ越して不便のところに移り住まざるおえない状況の時に、自然なところに来て気持ち良いところに引っ越せたと思うか、なぜこんな不便なところに来てしまったのかと思うかで気持ちは変わります。

小村:なるほど。

無藤:そういったご自分の心に気づいてもらう事が重要で、それが私たちの役目です。気づければあとはもう改善するだけですからね。『気づき』がキーワードです。

小村:おっしゃる通り。気づきは大事ですね。

無藤:気づきが少ない方はストレスを溜めやすいのです。ストレスがかかると私たちのカラダは血圧を上げ、呼吸を浅く、早くし、カラダを冷やし、血糖値を上げます。胃の働きは下がりますので消化が悪くなり、ただ胃酸だけはたくさん分泌されます。ここから連想できる病気は、糖尿病や高血圧、胃潰瘍などありますが一般的なものばかりですよね。

小村:ただポーズを決めるヨガスタイルではなく、捉え方の重要性をヨガに取り入れていらっしゃるのですね。心の改善はメンタルトレーニングと同じですね。その後の活動を教えてください。

無藤:2009年ホットヨガを展開する大手ヨガチェーンで店長兼マネージャーを務めました。2014年広尾にあるDeportare yogaの起ち上げメンバーとして声をかけていただきリーダーとして起用されました。そして、2015年4月自分自身の会社であるヨガワールド・トーキョーを起ち上げました。ヨガワールド・トーキョーの事業としてはオフィスや介護施設、学校にヨガ講師を派遣する仕事です。私はその他にヨガを使ったセミナーや、アスリート対象にヨガ指導を行っています。

小村:今やられているのは訪問型スタイルなんですね。

無藤:そうです。ただのポーズやストレッチだけではなく、メンタル的な話をしたり、企業にはプログラムを作り提供しています。ヨガワールド・トーキョーの講師メンバーは、メンタル面も身体面も専門的に扱える指導を目指すため、ヨーガ療法士に限って行っています(一部除く)。幸いなことに師匠である木村先生の指導を受けてきたお墨付きがある講師陣が全国にいますので、派遣講師には困っておりません。

小村:ヨガの精鋭集団ですね。

無藤:ヨーガ療法士は資格が取得できれば一生保持できるものではなく、お医者さんと同じで年間取得単位が決まっています。ですから皆んな最先端の知識を得ている信頼性の高いメンバーなのです。ヨガワールド・トーキョーでは常に高い意識を持った講師を派遣出来るよう、経験のある講師のもとへ浅い講師が勉強しに行ける体制も整えています。

小村:「より良く生きてもらうためのメンタルスキルを養うヨガ」の普及にも一役買っている派遣・訪問型のヨガスタイルの会社「ヨガワールド・トーキョー」を起業されたわけですが、今までは長いこと雇われていた身として活動していました。いわゆる安定したところから、自分自身で確立せねばならない場へ踏み込もうと思った動機が何でしたでしょうか。

無藤:父が自営業者であり、小さい頃から父の背中を見ていたため、サラリーマン・OLは最初からイメージにありませんでした。

小村:DNAだったのですね(笑) 無藤さんのキャリアを見てくると、起業するための準備する体験がしっかりとベクトル上になっていますね。起業はするべくしてなったということですね。後編はヨガの中でも非常に興味がある「瞑想」について深くお聞きしたいと思います。

<[後編]へ続く>

◆プロフィール◆
OLYMPUS DIGITAL CAMERA

無藤智恵美(むとう・ちえみ)
2002年 栄養士資格取得。2008年 オーストラリアに単身留学 全米ヨガアライアンスRYT300取得。帰国後、インドヨーガニケタン東京で学び、インド政府公認のインストラクターとなる(2009~)。2009年 大手ヨガチェーンで店長兼マネージャーを務める。2014年 広尾にあるDeportare yogaの起ち上げメンバー・リーダーとして起用され、アスリートや政治家のパーソナルのヨガを中心に指導する。2015年4月 からヨガワールド・トーキョーを起ち上げ、現在は有名アスリートの他にオフィス、学校などに訪問し、スポーツやビジネスシーンのためのヨガにとどまらず、より良く生きてもらうためのメンタルスキルを養うオフィスヨガの普及に努めている。

新着情報